柑橘類の用途は、果汁の酸味を調理の代りに使うポン酢をはじめ、古くからある利用法の一つに柚釜があります。上部を切り取り、果実をえぐり茶釜に見立てたものを容器にして味噌に果汁または細かくきざんだ柚皮を混ぜたものを中に入れてから蒸した香り高い味噌です。 趣のあるものでは、柚餅子(ゆべし)という粳米や糯米の粉に砂糖、味噌、または醤油などで調味し、ゴマ、栗を混ぜ込んで蓋をして蒸しあげ、天日や炉裏で乾燥させたものがあり、つとや壷に入れて保存をしました。これが柚子の皮や果実を入れて棹物にしたほのぼのとした里山の郷愁が漂う「柚餅子」というお菓子になりました。 柚子餡を包んだり、皮に果汁を加えた爽やかで温かみのある風味のおまんじゅうは日本の季節の香りを五感で感じ、移りゆく季節の変化を表現した日本的な菓子です。 「つと:苞」とはわらなどを束ねて物を包んだものの意(広辞苑より)